歯周病治療

歯周病治療

歯周病の原因は,細菌感染です。細菌は歯垢と歯石などのバイオフィルムを形成しています。治療はそのバイオフィルムを取り除くのが基本です。

現在の日本では、40歳以上の成人のうち、5人のうち4人が歯周病におかされています。歯周病は、歯肉の出血や腫れなどの症状がみられる「歯肉炎」と、歯を支える歯根膜や歯槽骨を溶かす「歯周炎」のふたつにわけられます。
歯周病は、歯の表面や歯周ポケットに付着したプラーク(細菌の塊)が原因とされています。しかし、ブラッシングの習慣や食習慣、生活習慣によって病状が左右されることから、歯科における生活習慣病とも言われています。
歯周病治療の基本は、正しいブラッシング、歯石除去、定期検診の3つです。ただし、病状によっては、歯周外科治療や歯周組織再生療法などが必要なケースもあります。また、咬合性外傷(部分的に強い噛み合わせ)や合わない詰め物、歯並びの不正などによって増悪しやすくなりますので、定期的にチェックしてもらうことが大事です。

問診・検査

1.歯肉の状態 歯周病は細菌感染による炎症ですので,歯肉は赤く腫れて出血し易くなります。 進行すると膿がたまります。歯肉の色、出血の有無や排膿の有無、歯垢や 歯石の沈着を調べます。
2.X線検査 表面から見てもわからない歯槽骨の吸収状態がわかります。
3.歯周組織検査 歯周病が進行すると歯と歯肉の間の溝が深くなります。これを歯周ポケットといいます。
この歯周ポケットの深さを「ポケット探針」で一歯ずつ測定します。歯周病が進行するとポケットが深くなります。また、出血の有無も調べます。 ※太文字の箇所の修正です。
4.歯槽骨の吸収状態 X線検査で診断します。骨吸収の程度で歯周病を4段階に分けます。
5. 歯の動揺度 ピンセットで診断します。歯を左右・前後・垂直方向にゆすり動揺量で判断します。
6. 歯間離開度検査 薄い板のような器具で、歯間部の接触状態を調べます。
7. 咬合の検査 噛み合わせの異常がないか調べます。
※模型を作製するために型とりをおこなうことがあります。
8. プラークの付着状態 染め出し液・錠・ゲル液で検査します。ブラッシングが上手に出来ているか調べるテストです。

基本治療

インフォームドコンセントとモチベーション(動機づけ)

治療を成功させるためには、患者さんの理解と協力が必要です。歯周治療を始める前に、よく説明しご理解をいただきます。歯周病は生活習慣病でもあるので,日常の生活習慣や行動を改善させ、かつ持続させるための動機を与えます。患者さんの協力度を高める大変重要なステップです。

  • ●歯周病の原因の説明
  • ●治療の説明と同意(治療期間・費用など)
  • ●現在の状態
  • ●ブラッシング指導:治療で最も重要なのは、日常の口腔清掃です。
    歯ブラシを用いて細菌のかたまり(歯垢)を除去して、細菌を常に少ない状態に保ちます。

スケーリング(歯石除去)

スケーリング(歯石除去)

歯石は歯に付着した歯垢が唾液中のカルシウムにより石灰化したものです。歯ブラシでは取れません。 歯面に付着した歯石を専用の器具(スケーラー等)で除去します。

ルートプレーニング

ルートプレーニング

ポケットに面した歯根にプラークや歯石が付着するとその一部がセメント質(歯の組織)の中に入り込んで汚染され、根の表面はザラザラになります。このようなセメント質を取り除いて根面を平らにして、歯と歯肉を再付着させます。

再評価

歯周治療の大きい目標は、歯周ポケットの改善です。改善されるまで上記の治療をくり返します。

ポケットが改善されれば、出血や歯の動揺もなくなります。この後は歯周病安定期治療で再発を予防します。しかしこれまでの治療で充分に効果が得られない場合は、歯周外科治療に進みます。

歯周外科治療

通常の基本治療を行っても歯周ポケットが残っている場合、外科手術によって歯周ポケットを改善します。また、特殊な材料と方法を用いて、歯周病で失われた骨を再生する治療(歯周組織再生治療)を行うこともあります。

歯周組織再生療法はこちら

歯周病安定期治療(SPT)

歯周ポケットが多少残っていても、歯周組織の状態が安定すると、その状態が維持できるように歯周病安定期治療に入ります。歯周病は再発しやすい病気です。定期的に検査し、プラークコントロールを良好に保つように、歯石をとり、ブラッシング指導を継続します。

歯周病治療の流れ
  • 1問診

    歯周ポケットの深さなどを調べる検査を行います。歯周病であれば、現在の状態や治療の内容、期間、費用などの説明をいたします。
    治療を成功させるためには、患者さんの理解と協力が必要です。当院では、患者さんの了解なしに治療を進めることはありません。

  • 2スケーリング(歯石除去)

    歯周病の初期治療です。スケーラーなどの専用器具で、歯面に付着した歯石を取り除きます。

  • 3ルートプレーニング

    専用の器具を使って、深い場所にある歯石や感染した歯質を取り除く治療です。歯周病が進行して歯周ポケットが深くなっている方に行います。痛みが強い場合は、麻酔を使用します。

  • 4再評価検査

    歯周ポケットの深さや歯茎からの出血の有無、プラークコントロールの状態などをみる検査です。
    治療の効果が得られた場合は治療を終了しますが、その後もメンテナンスで再発を予防します。充分な効果がみられない場合は、歯周外科治療に進みます。

  • 5歯周外科治療

    通常の基本治療を行っても充分な効果が得られなかった場合は、外科手術によって歯周ポケットを除去します。また、歯周ポケットから歯周病菌を取り除き、特殊な材料を用いて骨を再生する「歯周組織再生治療」を行うこともあります。
    ただし、再生療法には適する症例と適さない症例があります。詳しくは担当医にご相談ください。

  • 6メンテナンス

    歯周病は、お口の中の環境の変化によって再発しやすい病気です。お口の健康を保つためには定期的に検診を受けることが大切です。メンテナンスでは、主に以下のことを行います。

    • 歯肉の色、形の検査
    • 歯周ポケットの測定と、ポケット内の細菌検査
    • ブラッシング指導
    • 詰め物や被せ物の診査
    • X線による歯と骨の診査
    • 咬合性外傷の診査 など