インプラント

インプラントとは

インプラントとは

インプラントとは、歯を失った部分の骨にインプラント(人工の歯根)を埋め込み、歯の代わりをさせる治療を言います。インプラントが骨と結合すると、失った歯の代わりとなり、天然の歯と同じようにとてもよく噛めるようになります。

当診療所のインプラント

当院のインプラント

当診療所では、アメリカ、ジンマー(Zimmer)社製の【スプライン®(Spline®)】というインプラントを使用しています。【スプライン®】は、連結部分に「スプライン」と呼ばれる構造を付与することで、ネジの緩みを減らすことができ、正確な適合を得ることができます。当診療所ではこのインプラントを導入して30年以上の実績があります。
現在、インプラントは世界中で数100もの種類がありますが、大きく分けると2種類に分けられます。一つは、チタン製のもの、もう一つは、チタンの上にさらにハイドロキシアパタイト(以下HAと略す)をコーティングしたもので、【スプライン®】は後者のタイプです。天然の骨や歯の象牙質の無機成分もHAからできています。人工的にコーティングしたHAは、組成の近い天然のHAに対してとても親和性が高く、骨の中に埋めた場合、直接、骨と結合する性質があります。一方、チタンは骨と完全に結合することはありません。そのため当診療所では、チタンにHAをコーティングしたインプラントの方が優れていると考え、【スプライン®】を採用しています。

インプラント治療の流れ

インプラントの治療は、次のような流れで行います。

  • 診査

    Step 1診査

    インプラントを埋入できるかどうか、パノラマX線写真・3D-CTなどのレントゲン検査や血液検査を行い、骨の量・性質や全身の状態を調べます。

  • 一次手術

    Step 2一次手術

    人工歯根を埋入する手術です。通常、痛みはほとんどありません。


    ●局所麻酔下で歯茎を切開し、ドリルで骨に穴を開け、インプラントを埋めます。
    ●当院では手術時には、緊張することなく楽に手術を受けてもらうため、静脈内鎮静法を併用しています。
    ●手術は2本で30分程度で終わります。
    ●一次手術後、インプラントが骨と完全に結合するまでに、安全期間を見込んで通常上顎で4ヶ月、下顎で3ヶ月程度の期間が必要です。

    人工歯の装着
  • 二次手術

    Step 3二次手術

    埋まっているインプラントの頭を出し、支台装置を固定する手術を行います。
           ↓
    インプラントの歯根部と骨の結合を待ちます。

  • Step 4補綴装置(冠や義歯など)の装着

    上部構造が装着され、完成です。

    人工歯の装着
  • メンテナンス

    Step 5メンテナンス

    人間の体は年齢と共に変化していきますので、インプラントも定期的に調整する必要があります。インプラントは虫歯にはなりませんが、天然歯と同様に、歯周病菌などにより、インプラント周囲炎を起こします。これを防ぎ、インプラントを長持ちさせるためには、正しいブラッシング(歯磨き)法を習得し、ホームケアを行うことと、定期的なメンテナンスが不可欠です。

インプラントの期間、費用、リスク副作用

ガイデッドサージェリーを用いたインプラント治療

ガイデッドサージェリーを用いたインプラント治療

インプラント手術の難しさは、正確な位置にインプラントを埋入することです。当院では手術の安全性を高めるためにガイデッドサージェリーを用いたインプラント治療を行っています。
CT撮影した画像をもとにインプラント埋入のシミュレーションを行い、コンピュータ・テクノロジーにより、患者さん自身の歯や骨に合わせたサージカルガイドを作製します。そのサージカルガイドにはドリルを規制するための溝が作られており、それに沿って治療計画通りの位置にインプラントを精度高く埋入することができます。これにより安全かつ正確に、そして手術時間を短縮し、患者さんの負担を減らすことができます。
当院ではインプラント手術支援システムの日本トップシェアであるアイキャット社のLandmark System™システムを採用。これは、大阪大学歯学部での研究成果を元に設立された株式会社アイキャット(iCAT)が開発した、診断から手術までをトータルにサポートする、インプラント治療支援システムです。

歯科インプラント治療に関して

① 全身疾患

糖尿病・心臓病・腎疾患・肝疾患・骨粗鬆症・高血圧などの病気の程度や全身状態によって手術を安全に行うことができない場合、治療ができないことがあります。

② 治療期間

骨の状態により、一定期間経過した後に2回目の手術を行います。

③ メンテナンス

インプラントも自分の歯と同様にメンテナンスがされていないと、インプラント周囲炎を起こします。これは歯周病のような症状で、インプラント周囲の歯肉が赤く腫れ、歯茎から血や膿が出て、進行すると歯槽骨が吸収し、インプラントの脱落を招きます。治療後は定期的なメンテナンスが必要です。

④ 治療費

インプラントにかかる費用は健康保険がきかない自費(自由)診療です。各種検査法・治療法・特殊な手術の有無・上部構造の素材によって費用がかわります。ただし、インプラント治療は高額治療費として認められているので、医療費控除を受けられます。

当院の治療費(税込)

X線・CT検査 14,300円
血液検査 14,300円
インプラント埋入手術(1本) 154,000円
麻酔管理料(静脈内鎮静法) 55,000円
二次手術(1本) 66,000~93,500円
人工歯(上部構造)装着(1本) 55,000~121,000円
費用合計(1本) 336,600~430,100円

特殊な手術に関して

上顎洞底拳上術や骨造成術等の特殊な手術や骨補填材や保護膜等を使用する場合、治療に対する不安が強い方や歯科治療が苦手な方にリラックスした状態をつくる静脈内鎮静法やガイデッドサージェリー等には別途料金がかかります。