顎関節症の症状は多様ですが、その一つは、あごを動かす筋肉(咀嚼筋)が異常に緊張して疲労することにより起こります。また、あごの関節には骨と骨の間にクッションの役割をはたす関節円板というものがはさまっています。この関節円板の動きが悪くなってしまったり、ずれたり、変形することによっても、顎関節症の症状が現れます。
●あごの関節(こめかみのあたり)が痛い。 ●あごを動かす筋肉(ほほ、首筋、頭の横のあたり)がだるい、痛い。 ●口を大きく開けられない。 ●口を開けた時、関節で音が鳴る。
●かみ合わせの異常(強くぶつかる歯がある、噛み合わせが低いなど) ●奥歯が欠損している状態の放置,義歯を使用していない。 ●悪い癖(歯ぎしり、食いしばり、右または左ばかりでの噛み癖、頬杖など) ●日中常に歯をかみ合わせる癖(TCH:日中歯牙接触癖) ●外傷(転んであごをぶつけたなど) ●精神的ストレス これらの原因が単独で起こる場合もありますが、複合して顎関節症を引き起こすことが多いと考えられています。
悪い癖の中止、スプリント療法、薬による治療(鎮痛剤や筋肉をほぐす薬)、かみ合わせの治療、欠損部の補綴治療,マッサージ、リラックスを促すなどの治療法を症状によって選択します。 当診療所では,かみ合わせの異常があるという明確な診断が無い場合は,歯を削るなどかみ合わせの調整は行うことはありません。
スプリント
スプリント装着後
これらの寝ている時の習癖を睡眠時ブラキシズムと呼びます。その音が同室の睡眠同伴者(スリープパートナー)の睡眠の妨げとなることもあります。また、日中の起きている時間帯に無意識に歯を合わせて咬みしめている習慣を覚醒時ブラキシズムと呼びます。
●歯のすり減り ●歯周病 ●歯がしみる知覚過敏 ●歯の被せた冠の脱離や破損 ●歯や歯の根の破折 ●咀嚼筋や顎関節への負荷による顎関節症 歯科領域における多くの障害に関与すると考えられています。
●ストレス ●遺伝 ●交感神経活動の亢進 ●睡眠途中の覚醒 ●薬物や他の神経系の疾患(運動神経の疾患)
2020年4月から健康保険の適用になった超小型筋電計を導入し、筋電図検査によって歯ぎしりの回数や程度などの詳細な評価のもと診断を行っています。 治療法には、主にナイトガード(マウスピース)が用いられます。